『アウトレイジ最終章』録音部の鉄則とは? 北野武と唯一無二の緊張感
日本国内でも、北と南で全然違うんですよ。
――音の世界は奥深いですね。「アウトレイジ」シリーズで作業工程に変化はあったんですか?
『アウトレイジ』は痛々しい描写がメインになっていましたが、『ビヨンド』からはセリフ劇で関東と関西のヤクザのバカヤロー戦争に。台本を開くとセリフがいつもの倍以上あったので、「もしかして、自分が初めてメインになるので試されてるんじゃないか!?」と(笑)。
――勘ぐってしまったと(笑)。
撮影現場での作業は変わらないのですが、観客に聞かせたい音が増えて細かい作業になるのでそこは大変です。
――お互いのセリフが被ってしまうことも?
そういう時はテストが終わった段階で役者さんに説明させていただいて、芝居に差し支えがないようにずらしてもらうことはあります。
●大杉漣さんは「すごく優しい」
――苦労の末の"バカヤロー戦争"。
ご自身として出来栄えはいかがですか。
ちゃんと録れていたので、僕としては納得しています。作品も面白く仕上がって、たくさんの動員もありました。台本を開いた時は「えっ……」と言葉を失ってしまうくらいのセリフの量だったのですが、うまくいってよかった(笑)。