『テルマエ・ロマエ』作者ヤマザキマリさんが語る、とらわれない生き方とは? (1) 好きなことと、生きていくための仕事は分けて考える
新しい場所を訪れる時は、まずはその土地に歓迎をされたいです。
●「漫画によっていろんなことできる」自信がついたきっかけとは
○色々な仕事をやっていたから続けられた
--今のお仕事の話に移りますが、漫画を描くことに手応えや満足感を感じられるようになったのはいつ頃ですか?
本当の事を言うと漫画に関しては、最初は無理やり描いていました。私は漫画の特別積極的な読者でもないし、編集者が言ってくる内容に全然ついていけなくて「描けるわけないわ、こんな漫画」といったリクエストを結構もらって。「空っぽのチューブから無理やりネタを絞るような思いでやらなきゃいけないのだったら、もう辞めてしまおうかな」と何度となく思ってました。でも、幸いその頃は他の仕事もいっぱいやっていたので、漫画に対する猜疑心をいつまでもこだわり持ち続けてもいなかった。それを本職にするかどうかは全く分からないし、そのつもりも実はないけど、続けるだけは続けていけました。もしそのとき漫画だけで生きていかなきゃと思ってやっていたら、挫折して止めていたかもしれない。--それでも続けて来れたのはどうしてですか?
滞って考えすぎなかったからですね。