『テルマエ・ロマエ』作者ヤマザキマリさんが語る、とらわれない生き方とは? (1) 好きなことと、生きていくための仕事は分けて考える
この"蛇口"はお湯も水も出せるし、水圧もいろいろコントロールできる。漫画によっていろんなことできるかもしれないって自信が付いたんです。
やっぱり色んな仕事やってきたおかげで自信を持って漫画の世界に投身できたのだと思っています。前みたいにプライドが自分の意識を牛耳って「私はそんな漫画描けません」みたいなのもなくなってきたし、「絵で食べて行けるなんて有り難い。まあ何でもやってみよう」っていう、へりくだった人間になってました。
--仕事で嫌な思いをされたときにはどうしますか?
あんまり深く考えすぎないようにしています。本当に嫌なことは止めますから。実際に止めてもきたし。
なので、「それでも自分は立ち向かうよ」っていう状態は、まだ執行猶予があるってことですね。そのときには、嫌々じゃなくて角度を変えてみるといいと思います。「部屋の模様替えしてみよう」とか「今までこの靴履いてたけどマメできるからこっち履いてみよう」みたいな。
○「今はもう、やりたいことだけやって生きていきたい」
--今回出した本についての思いを聞かせてください
こういう女もいるんだから、今までと環境が変わったり、周りと同調できなくて戸惑う人に「じゃあ、ちょっとものは試しに読んでみて?」