白竜、北野武監督と島田紳助さんに導かれた俳優業「逃げ道作っていた」
それで本当に獲っちゃうわけでしょ。ベネチアでその言葉をかけられて……いやぁ、ジーンと来ましたね。
たけしさん、監督として思った以上に評価されない時代もあったんです。『HANA-BI』は監督自身が願っていたことが現実化したんじゃないか、そう思えた瞬間でした。そして、「俺も北野組の一員なんだ」と実感した瞬間でもありました。監督と数本ご一緒していましたが、当時全くそういう意識はなかったので、心に残っています。
――ベンツ内での密談エピソードからも、すごく距離の近さを感じます。白竜さんにとって北野監督はどのような存在ですか?
貴重なご縁をいただいているとは思うんですけど、実は携帯番号も知らないんです。
撮影現場でお会いするぐらいで。ところが『その男~』が終わった頃、六本木で何度もばったり会ったんですよね。一度も電話したことないのに、会うと「おー! 一緒に飲もうよ」と誘ってくださって。そういう磁力みたいな結びつきを感じます。監督と一緒にやってらっしゃる役者さんは、そういうご縁の方が多いんじゃないですかね?
■プロフィール白竜
1952年10月3日生まれ。佐賀県出身。1978年に白竜バンドを結成、翌年に「アリランの唄」