永瀬正敏、岩田剛典を「ずっと応援」 役を超えて生きた『Vision』の絆
――完成作を観るまで、全体像がわからないですか?
永瀬:そうですね。いや、今回もびっくりしました。意外なところだらけです。すごいなと思いました。
岩田:僕も「こういう作品になるんだ」とびっくりしました。自分が出演していないシーンはもちろんのこと、全体の作品としての構成も脚本も変化していて。仕上がりも、映像美や音楽と相まってアートのような、すごく美しい映画だなと思いました。あとは、登場人物それぞれに2時間で描ききれないほどの思いや背景があるので、ラストシーンに至るまでの人生が伝わるといいなと思います。
○森の強さと怖さを感じた
――吉野の森の撮影で、大自然で暮らすことについては、どのような印象を持たれましたか?
永瀬:生活していくと、綺麗事ですまないこともいっぱいあります。死に直結する部分もあるし、自然の強さや怖さを感じました。実際に失われつつあるものもある。しかし数百年もの間、守り続けられている歴史も刻まれている。ちょうど台風の時期だったので、スタッフの宿泊施設ギリギリまで土砂崩れが起こったこともありましたし、僕らの大好きな犬のコウが定期検診で病院に行ったら、あっという間に畑が害獣に荒らされたこともありました。