永瀬正敏、岩田剛典を「ずっと応援」 役を超えて生きた『Vision』の絆
起きたら胸のところにムカデがいるなんてこともありましたけど、それらを差し引いても、森からいただくものは多かったと思います。
岩田:役に入っていくときのリアリティは、すごかったです。携帯電話も繋がらないし、否が応でも下界とシャットダウンされる。俳優目線で見たら、幸せなことなのかなと思います。森の中で寝泊まりする経験も初めてでしたので、鈴のリアルな体験として自分の中に入ってきました。寝ているときも、鹿が鳴いている音、虫がカサカサ来る音や川の音、都会だったら聞こえないような音がたくさん聞こえてくる。小さな変化かもしれないけど、監督は画面に切り取ってくださっているので、経験が生きていればいいなと思います。
――それだけ役に入り込むと、役が抜けるのも大変なのではないかなと思いますが……。
永瀬:こうやって喋ったり、観たりするとダメなんですよね。忘れたつもりが、また復活してくる(笑)。
岩田:僕はツアー中だったので、撮影中に東京に戻ったんですけど、他のグループのメンバーからは結構「大丈夫?」と言われました。僕はわかっていないんですけど、「森からきたみたいになってる」と言われたんです。撮影期間は終わるまでずっと抜けなかったですね。