2018年7月26日 10:30
松居大悟、批判覚悟の創作と『バイプレイヤーズ』の転機「第1期集大成」
今回に限らず、映画においては常に考えていることです。
――確かに、今作の試写では賛否いろいろな意見があったと聞いています。
批判は落ち込みますけどね。すべての声を忘れないようにしてるんですが……。
――池松壮亮さんが完成披露の舞台あいさつでおっしゃっていましたが、上海映画祭で「こんな映画公開できない!」と言われたのは本当なんですか?
はい、役人の方から。僕らにというより、上海映画祭のプログラマーに向けた言葉です。でも一人だと落ち込むんですけど、『君だ』チームってそれを面白がってくれるんですよね。池松君が舞台挨拶でそういうことを言ってくれたおかげで、僕もちょっとだけ救われました(笑)。
○日本映画で描かれてきた「恋愛」への違和感
――映画で描かれる「恋愛」と比べると異色ですが、これも1つの恋愛観だと感じました。
日本映画における恋愛や愛情の描き方は腑に落ちないところがあって。思いを伝えて、両想いになるということがもちろん正しいんですが、それが「すばらしいこと」の方に行けば行くほど、「思いを伝えられない人」を無視しているような……映画として光を当ててないのがすごくイヤだなと。描くものが価値があって、描かないものが価値がない。