小松菜奈、『渇き。』から5年…苦労の末につかんだ「感情移入」
と思えた。お芝居をしているんですけど、周りの方のお芝居をすごく見ちゃうんですよね。役として現場にいますけど、自分としても相手の役をつい見てしまう。だからこそ、「役者は役者を育てる」と思っています。その人のセリフのおかげで、自分の役の気持ちが成立している。それってすごいことなんですが、それを「おもしろい」とも最近ようやく感じることができるようになりました。だからこそ、その役としての感情でいることができて、その役の感情が自然と溢れ出てくる。
――終わりというか、明確なゴールがないからこそ、難しくも魅力的な仕事ですね。
そうですね。新しい作品に出させていただくと、そこには新たな出会いが待っています。
――特定の作品によって、大きく変化したということでもなさそうですね。作品を重ねるにつれて、次第に変化していったというか。
いろんな現場をやっていく中で……例えばセッティング中でも感情を続けないといけない。現場ではそうやって、どうしても感情を続けられない時が必ずあります。でも、もとの感情に引き戻す、持続する集中力も試される……というか、もちろんその集中力がないといけない。それを昔はできなかったのですが、「のめり込む瞬間」