2019年6月12日 10:00
『ゴジラ』新作、再撮でストーリーに磨き! 渡辺謙が明かす監督の執念深さ
何十テークも撮りますが、日本みたいに短いカットを何テークも重ねていくのではなく、1つのシークエンスをいろんな動きのなかで撮っていきます。
――編集された映像を観て「こうなったのか!」と驚いたりすることはありますか?
前後をつまんで編集されることはあるけど、話の根幹は全然変わらないです。映画としてスピードは大事だし、そこで違和感を感じるようなことはないというか、切られて悔しいとか、「え? こんなになったの?」と思うことはないです。撮影と編集とのバランスがいいんだと思います。
――今回、特に監督が粘ったシーンについて教えてください。
粘ったというか、実は去年、再撮をしたんです。本作を撮ったのは一昨年ですが、シーンの編成を少し変えたかったようで。前半の説明をぱぱっと凝縮し、その代わりにプラスしたのは、マークたちの家族の話です。
彼らの抱えているある種のトラウマや心の傷を踏まえた上で、話が進んでいきます。おそらく、編集でつなげてみた結果、弱い部分を感じて、そこを補強するための再撮だったかと。
――再撮となるとかなりコストもかかります。日本映画では、編集して足りないからという理由での再撮は、あまり聞いたことがないです。