以降は、流れるように事が進んだ。ある酒席でC投手と出会ったD子は、自慢の美貌はもちろん、芸能界で培った百戦錬磨のテクも駆使してC投手に猛接近。なにしろ、相手は青春の欲望を抑圧され続けてきた田舎育ちの青年である。そんな彼を魅了することなど、4歳年上のD子にとっては赤子の手をひねるより簡単だ。
案の定、C投手はあっというまにD子の虜になり、やがて二人は恋仲となった。D子にしてみれば、ここで油断してC投手の成績が落ち込んだら元も子もないため、C投手がさらに活躍できるよう献身的にサポートした。その後、C投手の1軍での活躍も3年連続となり、年俸も5000万円を超えたころ、D子にも30歳の足音が近づいてきたためか、二人の間になんとなく結婚の雰囲気が漂うようになった。
C投手はまだ24歳だが、プロの水にもすっかり慣れ、独身寮も退寮したため、年齢といい、環境といい、経済力といい、これからますます女遊びが満喫できるはずなのだが、これまで世話になったD子を捨てるなどといった非情な選択はできない。
ここで結婚したとしても、女遊びだけなら遠征先でも十分可能だ。現に諸先輩方はそうしている。
こうして、C投手とD子は晴れてゴールインとなった。