”自分へのご褒美”が落とし穴! 『カイジ』に学ぶ”1億総借金時代”の生き抜き方
――そこで、できる限り長く働き続ける能力を身につけよう提案されていますね。
若い時から重ねた経験が、「自分はどんな社会になっても生きていけるだろう」という自信につながります。お金より、この自信が最も安心できる資産になると思います。もちろん、働きたい人が働ける制度設計も必要です。
――でも、現代では、まさにカイジのような若者は「自信につながるようなまともな仕事はない」と言うかもしれません。
「働いたら負け」という言葉をネットでよく見ます。でも、彼らは一体誰と戦っているのか、不思議になります。
なかなか就職が決まらず、やっと見つけた仕事は賃金が抑えられ、クタクタになるまで働いて、ブラック企業だと気づく……。
悲観的になるのは分からなくはありません。でも、僕たちはその中で、もがき、生きていくしかないんです。
「カイジ」の中で、帝愛グループの利根川幸雄が言っていますが、「口を開けて待っていたら、お金がふってくるわけではない」。何もせずに飯が出てくるわけではありません。自分で何とかしなければいけないのが世の中です。すべて希望通りにはいかない、そこが出発点です。
――「多重債務に陥っても、今のところ、個人を守る十分な法律はない」