消せないコンプレックスは抱えて生きる。だって、ロリータが好きなんだもん
私がロリータと出会ったのは、16歳のとき。雑誌『KERA』の読者モデルになったのがきっかけでした。たまたま撮影で着たロリータの衣装に、すっごくときめいたんです。
フリルやレースがいっぱいついたドレスは、まるでお姫様みたい。小さな頃、ピアノの発表会でおめかししたときのうれしい気持ちを思い出しました。大きくなったらもう結婚式くらいしかそんな機会はないと思っていたのに、ロリータを着れば、誰でもいつでもお姫様になれる。「私、これからもお姫様になっていいんだ!」って、感動したんです。
でも、ロリータはとってもお金のかかるファッション。
1着3万円、トータルコーディネートで10万円、なんていう世界です。高校生の私にはもちろん手が出せず、しばらくは雑誌の撮影で楽しむだけ……。自分の稼ぎで少しずつ買えるようになったのは、20歳を過ぎて、看護師として働き始めてからでした。
■ロリータは私にとって“自信をくれる服”
ロリータ服を見て「着るの恥ずかしくない?」と考える方は、少なくないと思います。でも、実は逆。ふんわりしたドレスは、身体のラインがまったく出ないため、自分が普段恥ずかしく感じている部分を上手に隠してくれるんです。