『コウノドリ』第5話~死産という重い現実を乗り越える人々の物語
の戸籍を売ってヘラヘラ笑いながら弁当を食べている女性を演じていたのだが、とても同一人物とは思えない。女優ってすごい。
また、篠原と深水の実年齢がふたりとも30代後半ということも話に深みを与えていた。高齢出産の部類に入る彼らは今回の出産に賭けていたのだ。
■ドラマは悲しい話を描けばいいってもんじゃない
『コウノドリ』では、これまで妊娠・出産・子育てに関するさまざまな問題を取り上げてきた。
第2話の「子宮頸部腺がん」、第3話の「産後うつ」などだ。
ドラマは、それぞれの問題について苦しむ人々を、優しく包み込むようなメッセージを投げかけている。
第5話で取り上げられた「死産」は大変重いテーマだ。
死産を経験し、深い悲しみ包まれる瑞希と寛太だが、サクラたちペルソナ総合医療センターの人々によって支えられ、ゆっくりと立ち上がるまでの姿が描かれた。
鴻鳥サクラ(綾野剛)をはじめ、四宮(星野源)たちは優れた医者だが、どんな不可能も可能にする天才ドクターではない。だから、不測の事態を避けるよう綿密に計画を練って出産に挑んでいる。それでも今回のような死産は避けられない場合がある。劇中で語られているように、妊娠22週以降の死産の4分の1は原因不明だ。