『隣の家族は青く見える』3話。子を持ちたくない女と子を引き取る男、価値観の違うカップルの悲劇
「愛されてなかったことだよね」と話すちひろに、隣人の奈々(深田恭子)は「愛してるからじゃないかな?」と語りかける。
「だって、ちひろさんが子どもを持ちたくないってこと、川村さんは誰よりも理解しているんでしょう。ちひろさんのことを思うからこそ、別れを選んだんじゃないかな。好きな人に無理させることほど、辛いことってないと思うから」
夫(となるはずだった人)の愛を知ったのに、別れざるを得ないのは辛いことだ。このドラマには「誰でも子どもを持つのが当たり前」「女は子どもを産んで育てるのが当たり前」「子どもは引き取って育てるのが当たり前」などという、これまで社会を覆ってきた無神経な「当たり前」がない。だけど、だからといってすべてがハッピーになるとは限らない。ときには、こんな痛みを伴うことだってある。
とはいえ、物語はこれで終わるわけではない。
亮司とちひろ、そして亮太が今後どうなるのかに注目したい。
■不妊治療とお金の問題
一方、子どもが欲しいのになかなか妊娠できない奈々と大器(松山ケンイチ)の夫婦は、不妊治療を継続中だ。これまでかかった不妊治療費を計算している奈々。不妊治療費は家計を圧迫していた。