「ダサい服は着たくない」障がいのある人のファッションに光をあてる理由
■介護者のためだけに作られた服に、一石を投じたい
——これまで普通のアパレルしか経験のない中で、難しい挑戦だという感覚はありませんでしたか?
むしろ「自分こそ役に立てるかもしれない」と思いました。ユニバーサルデザインではなく通常のアパレルで経験を積んでいて、ハイファッションまで網羅する技術もある。着やすくてスタイリッシュな服なら、私に任せて欲しい!と思ったんです。着る人ではなく、介護する人のためだけに考えられたデザインって例えば、(脱がしやすくするために)洋服に巨大なファスナーリングがついていたりする。私だったら絶対にそのようなデザインにはしませんから。
——巨大なファスナーリング、たしかにデザイン的にはいけてないですね……。やはり障がいのある方の中には、服に対して不満を抱えているケースが多いですか?
多いですね。特に女性でユニバーサルデザインの服を好んで着ている方って、本当に少ないんですよ。
理由はひとつ。とにかく「ダサい」から。
こんな服を着るくらいなら、着にくいけれど一般の市販服を我慢して着たほうがいいという方が多いんです。特別扱いして欲しくない、健常者と同じ服が着たい、と。