映画『私は、マリア・カラス』トム・ヴォルフ監督インタビュー! ディーヴァと呼ばれた女性の切ない人生の真実。
人間が天に近づこうとしてもがいていたことを、理解していただけたら嬉しいです。
ーー手紙の語りの部分も個人的に語られてるように感じられて、あんなに筆まめな方だったんだなということにも驚きました。
そうですね。たくさん手紙を書いていますよね(笑)。
携帯もメールもない時代で、伝達の手段が手紙でした。
手紙というのが私たちにより親密さを感じさせるわけです。
手紙の中に書かれている感情は、特別に親密なもので、ある意味彼女の内なる声だと思います。
ーー監督自身が一番好きなシーン、そして今回劇中でさまざまなオペラを聴くことができるのも見所ですが、特に好きな楽曲を教えてください。
そして最後に読者の皆さんにメッセージをお願いします。
まずは、歌劇ノルマの「清らかな女神よ」(作曲/ペッリーニ)がやっぱりすごいなと思うのですが、58年の彼女の絶頂期の場面をフルカラーで観ることができるのもワクワクします。
でも同時にトスカも良いし、カルメンも良いし、ひとつのシーンを選ぶのは難しいですね(笑)。
観ていただいた方が、彼女の内面から見た人生から何かを感じていただけたらと思います。
マリア・カラスは、歌に生きた特別なアーティストであり、恋に生きたひとりの女性であったわけなんですけども、彼女の宿命・人生といったものを内側から経験していただいて、より理解することで素晴らしい伝説的なアーティストの人間というものをありのままに感じていただければと思います。