映画『私は、マリア・カラス』トム・ヴォルフ監督インタビュー! ディーヴァと呼ばれた女性の切ない人生の真実。
また、彼女の人生や宿命、悲劇的なもの、彼女がそういったすべてを超えて歌にしてアートにして、またそれがレガシーとなって、未だに世界中の人々の心を動かしているところに惹かれたんです。
ーーそうですね。すごいパワーだと思います。
音楽史に永遠に輝く才能と絶賛されたマリア・カラスですが、一方でいろいろなアクシデント、パッシングにもあっています。
28歳年上の男性との結婚、大統領やセレブも駆けつけたローマ歌劇場の舞台を第一幕で降りたことへのパッシング、メトロポリタン歌劇場の支配人とのバトル、ギリシャの大富豪オナシスとの大恋愛、そしてそのオナシスが元ケネディ大統領夫人ジャッキーと結婚したことを新聞で知るという、とても切ない衝撃の顛末などドラマチックな人生でまさにオペラの中の主人公のようです。
監督は、マリア・カラスのような女性の生き方を男性としてはどう思われますか?
私は、この映画を彼女の視点で創りました。
つまり女性の視点で創ったということで、自分の視点というのは全部取り除いて、彼女の視点を観客へ伝えるためのいわば媒体、メッセンジャーになったのです。
自分の視点はまったく排除しているんです。