見えない絆の残酷さ。「パパやらなくていい」の本当の意味【海のはじまり#3】
※このコラムは『海のはじまり』3話までのネタバレを含んでいます。
■「水季は夏のことを実はずっと待っていた?」説
ある日突然、6歳になった自分の子ども・海(泉谷星奈)が目の前に現れた夏(目黒蓮)。
もともと自分をうまく出せない性格もあり、まだ出会って間もない中で全力で愛情を表してくれる海に、なぜこんなにも好かれているのか分からず戸惑います。
そんな中で、海のとの時間を設けるたびに、自ずと亡くなった水季(古河琴音)の母である朱音(大竹しのぶ)との交流も増え、知らなかった事実も色々と分かってきます。
水季は親にも相談せずに出産を決めていたこと。そして、夏に妊娠の事実を知らせなかったのは「選べない」からであるということ。
夏の性格なら、産む決意を伝えれば父親になると絶対に言うだろうから、他の選択肢を奪いたくないという、水季の気持ちがあってのことでした。
常に「自分がどうしたいか」を考えて行動することをポリシーにしていた水季にとって、夏が「自ら父親になりたい」と言ってくれることと、「責任をとって父親になる」ことは雲泥の差。
誠実な夏は後者の行動を絶対にとってしまうけれど、もし父親になるのであれば、前者の選択をした上であってほしいから、ひっそりと身を隠したのでしょう。