見えない絆の残酷さ。「パパやらなくていい」の本当の意味【海のはじまり#3】
と答えることを見越しての断りだったのでしょうか。本当はパパになってほしいけれど、水季と同様に、パパになる時は自分の意思でなってほしいと思っての、あえての「ううん」だったのかもしれません。
また、「いなくならないで」と言うフレーズも大きな意味がありそうです。
水季が亡くなったから誰かがいなくなるのを恐れている、というわけではなく、水季が生きていた頃から海は水季がいなくなることを恐れている描写がありました。何かここにも過去のトラウマがあるのでしょうか?
「水季の代わりにはなれないけど、一緒にいれる」と約束した夏は海の写真を撮るために「そこにいてね」と声をかけます。
それは前回、海が水季の遺影の前で夏にかけたのと同じ言葉。「そこにいてね」には、夏からの前回の言葉のお返しと、「これから一緒にいようね」の意味が込められているようにも感じられました。夏の中で「海がはじまった」瞬間なのでしょう。
■さまざまな母の形が描かれている
いろんな母の形と生き方が描かれているこのドラマ。シングルマザーの水季、中絶をした弥生、長い不妊治療の末、念願の子どもを授かった朱音、ワーママとして働く弥生の同僚、ステップファミリーの月岡家。