自分のことが嫌いだった少女が俳優になるまで。内田慈が明かす「人生の原動力」
、もしもあの頃の私が自分のことをそれほど嫌いじゃなくて、もっと自分に自信があったとしたら、『芝居をしたい』とか『俳優になろう』なんて、思わなかったような気もするんですよね。だから、ひょっとすると全ての物事は、“表裏一体”とも言えるのかもしれないですね」
「不思議なことに、お芝居をしている瞬間だけは自意識から解放されるんですが、舞台挨拶や何かで人前に立つ際は、無駄な自意識が邪魔をしていまだに緊張してしまうんです。それこそ、コロナ禍の緊急事態には『不要不急』という言葉が叫ばれましたけど、お芝居をすることは私にとっては決して不要不急ではなくて。ある意味必要不可欠な心のリハビリのようなもの。その切実さから生まれた表現が結果、観ている方たちにとっても切実に心動かすものであれば良いなと思っています」
内田さんが言うように、自分のことを「めんどくさい」と思う瞬間は、日常生活を送っている中で私自身にもある。たとえば、SNSで何かを発信しようにも、「これを書いたらどう思われるだろうか……」と、躊躇してしまうこともたびたびだ。でも、内田さんが「自意識を忘れられる」芝居と出会い、めんどくさい自分と上手く付き合うためのリハビリを続けているように、私たちにも「自分で自分を認めてあげられる瞬間」