自分のことが嫌いだった少女が俳優になるまで。内田慈が明かす「人生の原動力」
役者の仕事の醍醐味って、自分が演じる役の人生を通して、分かり合えない他者とどう向き合い、いかに生きていくべきか……といった哲学的なテーマに、じっくり思いを巡らせることができることにあると私は思ってて。ゆっくりじっくりひとつのことに向き合える点が性に合っているなと思います」
「年齢や経験を重ねるにつれ、『こういう時はこう対処すればラクなんだな』とか『こうすれば周りに迷惑をかけないんだな』ってだんだん分かるようになってきた部分もありますが、残念ながら私自身はまだまだめんどくさい自分のことを十分には飼い慣らせていません。きっと私は一生かけて自分自身となんとか折り合いをつけて生きていくんだと思います。役を演じる上でそれが活かせるのも、この仕事ならではですよね」
1対1で真正面から向き合うインタビューというのは、どこかカウンセリングに近い部分もあって、普段自分では気づいていなかった“本当の私”に、ふとした瞬間向き合うことになったりもする。実際にこの日も、「いま、取材を受けながら自分でも初めて気づいたんですけど……」とちょっぴり戸惑いながら、内田さんは複雑な胸の内を明かしてくれた。
「育った家庭環境によって抑圧されていなければ、きっとここまで自分のことをめんどくさいとは思わずに済んだかもしれないですが(苦笑)