今がチャンスかも? 他人と自分の価値を比べてしまう人の最初の一歩『モヤモヤしない考え方』書評
の重要性がまた問われている。
■不安が不安を呼ぶ負の連鎖に終止符、“生きづらい”の整理整頓
本を読み終わる頃、感じたことのひとつが「あれ?もしかしてこれ、現代病じゃない?」ということだ。たった一瞬のSNSの切り取りで24時間365日そうであるかのように、人の生活や、良いときばかりよく見えるようになってしまったがゆえに、いつでも比較対象に出会える環境下。自分が知らないうちに、脳のクセや考え方のクセがつき、それらと結びついたモヤモヤを持ち続ける。
占い、頼られ症候群、恋人依存にお金への執着……。不安は不安を呼び、見えない・分からない・今のところ未定な未来へ早々に絶望を感じている。不安も、ネガティブな発想も、悪いものではない。だからこそ、大事なのは「感情と、事実を分けて考える」ことだ。
現代では多くの人たちが、無意識に「現実の自分」と「理想の自分」の間にいる。モヤモヤを言語化するには、自分と向き合うしかない。それは今の自分だけではなく、過去の自分も含めてだと教えてくれつつ向き合い方の一段目を、知らず知らず背負い込んだ荷物の下ろし方を、この本が教えてくれるだろう。
「さて、あなたがいま“ほんとうに”ほしいものはなんでしょう?」