今がチャンスかも? 他人と自分の価値を比べてしまう人の最初の一歩『モヤモヤしない考え方』書評
自分のことを知っているのは自分だというが、自分を一番知らないのもおそらく自分だ。どんな時に機嫌が悪くなるか、どんな表情をするか、「大丈夫」「そんなことない」と言いながら、どこかで気づいている「そうじゃないのに!」の声、言葉にできないモヤモヤの正体を聞くところから始めていくことが重要視されている。
■モヤモヤしている=もう一人の自分と戦っている
誰もが嫌われたくない。誰もが良く見られたいし、誰もが「自分は幸せなんだ」と認識したい。あれもできる、これもできると思いたいし思われたい、あれができる自分には価値があるし、できないと落ちこぼれでダメだと烙印を押されてしまう気がしている……。
世の中には、ポジティブマインドと、自己啓発の本があふれている。「〇〇する勇気・しない勇気」「〇〇になりたければこうしなさい」「こういうマインドをもちなさい」「〇〇な人がしていること・習慣」……なかには、収入に直結するようなタイトルのものまで。
読めば、意識も高まり、明日からの考え方が変わり行動も変わる、つまり現状から変わるはず……おそらく・多分・きっと。
だが、田中さんは本の中でバッサリと切る。「残念なことにこの世の中にそんな都合が良いノウハウは存在しない。」