くらし情報『【連載小説】理想じゃない恋のはじめ方。(第4話)』

【連載小説】理想じゃない恋のはじめ方。(第4話)

新実課長はそういうのに屈しないタイプだと思ってました。」

声が震える。

だけど、泣き顔なんて見せたくない。

「信じていたのに、がっかりです」

負けるな、私。前を向け!



ときめき……?

【連載小説】理想じゃない恋のはじめ方。(第4話)


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骨折って手術をすれば、すぐに治ると思っていた。

術後は余裕だったリハビリも、だんだん辛くなってきた。

「痛たたたたた、痛いです」

「少し休みましょうか?」

「いえ、続けてください」

この前の理学療法士さんはドSだったけど、今日の人は優しい。

それでも相当な痛みに、さすがの私も涙目になってしまう。

「あ!北崎先生だ」

その時、手術着姿の大和がやって来た。


この総合病院はリハビリテーション室も併設されており、大和は退院した患者の様子を頻繁に見に来ているらしい。

大和の登場に、リハビリを受けている患者たちが一気に色めき立つ。

「先生、見て!膝の可動域がもうこんなに広がったの」

「お~すごいですね! リハビリを頑張っている証拠ですね」

「北崎先生、次こっち!こっちに来て」

「はい、すぐ行きます」

優しくて親切でいつもニコニコしている大和は、この病院ではちょっとした有名人。

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