わざわざ遠方から通院する患者さんもいるくらいの人気者らしい。
「(そういや昔から、人に好かれるタイプだったなぁ……)」
そんなことを考えていると、大和と目が合った。
だけど、思わず視線を逸らしてしまう。
この前、家に泊めてもらったことを思い出し、若干気まずくなったのだ。
「(大和を意識しちゃうなんて、変なの)」
「そろそろ終わりにしましょうか」
理学療法士さんが時計を見ながら言った。
いつもよりかなり時間が短い。
「もう少しお願いします」
「でも、今日は痛みも強いようですし、あまり無理しない方がいいですよ」
「これくらい平気です」
リハビリをサボれば、サボった分だけ治りが遅くなるような気がする。
だから頑張って痛くても堪えないと……!
1日でも早く仕事に完全復帰できるように。
そう焦りを滲ませていると、
「しおちゃん」
後ろから大和が近づいて来た。
「リハビリはやればやるほど効果があるってわけじゃないよ」
「でも、」
「頑張り過ぎるの禁止だって言ったよね。無理をしたら余計体を痛めるだけ。治らないよ」
「……」
「はい、分かったら今日は終わり!」