くらし情報『【連載小説】理想じゃない恋のはじめ方。(第6話)』

【連載小説】理想じゃない恋のはじめ方。(第6話)

それでも、向き合って欲しい」

「大和……」

真っすぐな告白に、再び胸がドキドキする。

「分かった、ちゃんと向き合う」

「ほんと?やった」

頷いた私に、大和は満面の笑みを見せた。



もっと彼を知りたい

もっと彼を知りたい


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「しおちゃん、ごま油ってある?」

「ごま油? そんなのないよ」

「えー、ないの?あれがないと味が決まらないんだよなぁ」

週末、私の家に来た大和が、お昼ご飯を作ってくれることになった。「じゃぁ、そこのスーパーで買ってくるね」

「待って、俺も一緒に行く」

そう言った大和はガスを止めて、上着を羽織る。

夜勤明けなのに、タフだなぁ。

大和と向き合うって決めてから、一緒に過ごす時間が圧倒的に増えた。

そうした中で、これまで知らなかった新たな一面を発見していく。

例えば――。


「しおちゃん、こっち」

誘導しながら、さり気なく手を繋ぐのが上手だったり。

「1人で先に行かないでよ、寂しいじゃん」

甘えん坊モード全開かと思ったら、

「危ないっ! 気を付けて歩きなよ」

急に男らしさを見せてきたり。

大和の言動に踊らされていると分かっていながら、案外それが嫌ではなく。

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