思わず、口から本音が零れて自分でも驚く。大和に会いたい。会って話を聞いて欲しい。大変だったねって労って欲しい。
そんな自分の心の声を認めてしまった瞬間、大和に会いたい気持ちが倍増した。時計を見ると、夜の21時。まだ仕事は完全に片付いていないけど、残りは明日にすればいい。
「ごめん旭日、私もう帰るね」
「了解です! 私たちももう少ししたら帰ります。
お疲れさまでした!」
急いで帰り支度をして会社を後にする。駅に向かう途中、スマホで大和の電話を何度かコールしたけど、なぜだか出てくれず。何とも言えない不安が押し寄せてきた。
【仕事終わったけど、今から会えないかな?】
【大和ー? もう寝ちゃった?】
既読も付かない。仕事が終わったら連絡してって言っていたくせに。どうしよう、何かあったのかな? 緊急の手術が入ったとか?
それならそれでいいけど、連絡が付かないのは不安だ。居ても立っても居られなくなった私は、大和が住むマンションへ向かった。
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好きになったかも……?
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マンションに着くのと同時に、1台のタクシーがやって来てエントランスの前で停まった。