2021年8月26日 19:27
【TOKYO MER感想 8話】答えの出ない過去を問い続けるということ・ネタバレあり
その中で、MERチームの一員であり厚労省の医系技官でもある音羽(賀来賢人)は、かねてから疑念を抱いていた喜多見とテロ活動との関わりについて直接本人に斬り込む。
「このメンバーには、正直に全てを話すべきです」
それは喜多見の過去がどんな内容であっても、自分を含め「このチームであれば受け止めます」という意思表示の裏返しであったのだろう。しかし、チームの存続を天秤にかけた結果、何も語らない喜多見に音羽は失望してしまう。
その失望が、喜多見がテロに加担している可能性の落胆よりも、自分たちを信用せず秘密を明らかにしてくれないことへの落胆だと表情や言葉に滲む音羽の真摯さが切ない。
かくしてMERチーム最大の長所であるチームの連動性は損なわれたまま停電した病院にたどり着く。
しかし、現場の病院は、続く小規模の崩落で非常用電源も損なわれてしまい、生命維持に必要な医療機器がほぼ使えない状態。MERは手足が縛られたような救命活動に突入する。
パニックが畳みかけるスピードと密度でいえば今回が一番激しいかもしれない。
そのくらい、電源を喪失すること、機器が万全に使えないということが医療行為にとって致命的だと分かるエピソードだった。