【『ファイトソング』感想・2話】カシミヤのセーターのように、普通に見えて極めて上質ということ・ネタバレあり
名脚本家・岡田惠和だからこその到達点だと思う。
もうひとつ、通低音としてこの作品を深く魅力的にしているのは清原果耶のしなやかな強さである。
NHK連続テレビ小説『おかえりモネ』(2021年)で、温和ながら芯の強いヒロインを演じ、坂口健太郎演じる『菅波先生』との恋が朝ドラファンを熱狂させたことは記憶に新しい。
清原果耶が持っている、どんな風にも折れないしなやかな強さは、拗らせて生きる男の息苦しさ、頑なさを容赦なく剥ぎ取って、彼らを悩み多き愛嬌のある存在に昇華する。拗らせた男を、清原果耶はその自然体で更に輝かせるのである。
事前のコンセプトを聞いて食わず嫌いした方も、初回は見たけれども、もうそれでいいかなと思われた方も、ちょっと興味はあるけどまだ見ていない方も。
是非、今作の2回目以降をその目で見てほしい。
一見平凡に見えて、至極上質ということの答えの一つが、きっと見つかると思う。
ドラマコラムの一覧はこちら
[文・構成/grape編集部]
かな
Twitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。
⇒ かなさんのコラムはこちら