【『ファーストペンギン!』感想4話】生きてく腹をくくるんだ!・ネタバレあり
それは土地の良いところも悪いところも見つめながら、地方都市で生まれて暮らしていく多くの人々へ、真心のこもった静かなエールに思えた。
ここぞという時には強烈なリーダーシップを発揮する一方、時に説明の言葉が足りない和佳と、キレやすい荒くれ漁師たちをつないでいるのは、まだ若い漁師の永沢一希である。
大きな体を縮めるように和佳の話を聞き、一晩中子供に寄り添って、時には親子喧嘩の仲裁に入って殴られる。しかも殴られても激することもない。
そんな心優しい漁師に、劇団EXILEの鈴木伸之がぴたっとはまっている。
鈴木伸之は、昨年の『恋です!~ヤンキーくんと白杖ガール』(日本テレビ系)でも、いかつい外見に反し、繊細で思いやりのある青年を好演していた。
あの大柄な体からにじみ出るような優しさには不思議な説得力があり、これから物語の中でどんな役割を果たすのか、楽しみである。
立ち上げの時期を経て、事業が順調に走り出すとき、仕入れや人件費、経費がかさみ始める。
しかしもどかしいかな、それが収益に変わるのは大抵その少し後なのである。
和佳と漁師たちにも、避けて通れないシビアな資金繰りの問題が降りかかろうとしている。