【『ファーストペンギン!』感想7話】やせ我慢でも踏んばるんだ!・ネタバレあり
は、和佳に浜を立て直せる事業を考えてほしいと依頼する。
水産どころか魚の種類の知識もおぼつかない和佳が考えついたのは、従来の流通ルートを省き、消費者に新鮮な魚を直接届けるという至極単純なビジネスモデルだった。
しかし、漁協を通さずに魚を売るというそのシンプルなアイデアは、水産業という保守的な業界に大きな波風を立てることになる。
最初は地元漁協の圧力、次は同業漁師たちの嫉妬からくる村八分と、トラブルを何度も跳ね返してきたさんし船団丸だったが、今度は『地元の有力者の元議員』に目をつけられてしまう。
その元議員・辰海を演じるのは泉谷しげる。昭和生まれ世代にとっては反骨のアイコンのような存在だが、今回は見事に老獪な保守政治家役にハマっている。
長年政治家でいたということは、人心の陣取り合戦の機微に通じていることである。その狡猾さで辰海は船団丸の内部に人を送り込み、トラブルが起きるように仕向ける。
折しも頼りの永沢(鈴木伸之)が退職し、売り上げも右肩上がりで人手不足のさんし船団丸は、就職を希望してきた三人の若者を迎え入れた。
しかし、若い世代と長年漁師として浜で生きていた漁師たちの価値観の差はなかなか埋まらない。