くらし情報『【『大奥』感想6話】仲里依紗の爆発的な演技力が見せつける、哀しき女の一生』

【『大奥』感想6話】仲里依紗の爆発的な演技力が見せつける、哀しき女の一生

この部分も、生類憐れみの令を求めて桂昌院が駆け込んで来た時に綱吉が学んでいた書物がうち捨てられる部分も、ドラマで追加されたエピソードで効果的な演出だと思う。

【『大奥』感想6話】仲里依紗の爆発的な演技力が見せつける、哀しき女の一生

※写真はイメージ

衣食住は満ちている、地位の高い女として大事に扱われている。

それなのに、知性よりも前に女としての魅力を求められ、それをくだらないと思いつつも、それでもその価値観から逃げきれない。

これは現代でも私たちが見ている何かだという、ぞわっとした感覚があった。

次の世継ぎを求めて若い男たちを誘い、毎夜華やかに装う綱吉の姿が美しいほど、冷え冷えとした空しさが画面に満ちていく。

そうして自身の内面をぼろぼろに傷つけ、耐え続けた果てが「そうか。これは辱めであったか」という彼女の慟哭(どうこく)であり、「将軍とはな、岡場所で身体を売る男達より卑しい、この国で一番卑しい女のことじゃ」という叫びなのである。

それは、どんなに高い地位の人間でも、自分でそれを選んだように見えても、生身の人間が自身の性とそれにまつわる事柄を他人から暴かれ、その結果を勝手に評価されることは、暴力であり、不可逆の被害なのだという強烈な告発である。

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