【『大奥』感想6話】仲里依紗の爆発的な演技力が見せつける、哀しき女の一生
転じて、それらの目線が持つ加害性の指摘でもあり、私たちはその激しさに息をのむ。
※写真はイメージ
綱吉が初めて見せる苦しみに、互いの心を通じ合わせたかに見える右衛門佐と綱吉だが、綱吉の苦しみを知ってしまったがゆえに、右衛門佐はもはや彼女との性愛には踏み込めなくなってしまう。
この切ない成熟した大人ふたりの愛はどのような結末になるのか。
そして原作の通りなら、この先も綱吉にはいくつかの無情な運命がふりかかる。
仲里依紗と山本耕史の2人が、どんな深みのある愛を表現してくれるのか、楽しみに待ちたい。
なお、6話放送直前に、今作の広報から「NHKドラマとしては初めてインティマシー・コーディネーターを採用して作られている」という旨がアナウンスされている。
インティマシー・コーディネーターとは、演技やメンタルケア、性についての専門知識を持ち、俳優の心身をケアしながら性的シーンの撮影に関わる調整役のスタッフである。
今回の大奥のエピソードほど、インティマシー・コーディネーターの存在を得て撮影されたことが、物語の説得力を増す内容はないと思う。