引っ越すたびに『クリーニング店』を必ずチェックする女性 理由に、胸がジーン
セーラー服のスカートを一度クリーニングしてもらうと、自転車通学でどんなに雨風にさらされても、またどんなに長時間座っていても、そのプリーツはしばらくの間型崩れしなかった。
ということは、それだけ何か溶剤が染みついていて、美容院でパーマをかけてもらった後のような香りを周囲にまき散らしていたかもしれない。
しかし、学校の先生からは、「あなたはいつもスカートがきれいね。しっかりしている証拠だわ」などと褒めてもらえたことを、今も鮮明に覚えている。
父もその糊の効果には太鼓判で、仕上がった仕事服を身にまとう前には、必ず「今日も糊がきいとるなあ」と満足げに笑っていたものだった。
まるクリーニングのもう一つの大事な特長は、クリーニング店を超えて地域の名物、番台さんのような存在だったことである。
チェーン店でないからこそ、常連さんが依頼にやって来るリズムを把握して、少々無理な納期をお願いしても「はいはい、やっておくよ」と快く対応してくれて、大変助けられた。私の祖父母もまるさんによく出していたが、お店から少し離れて住む高齢の祖父母に配慮して、まるさんのお母さんがいつもバイクで配達をしてくれていた。