引っ越すたびに『クリーニング店』を必ずチェックする女性 理由に、胸がジーン
配達に来ると、天気や農作物の出来、近々ある行事の話などをひと通りして、あのコミュニケーションの時間も、祖父母にとっては楽しみの一つになっていた。
また、まるさんのお母さんは会計も担当しているのだが、服の種類によっていくらと単価が決まっていないようで、明細は一度ももらったことが無い。
服をたくさん持って行くと高くて、少ないと安くて、たまにたくさん持って行っても「おまけしとくね」と言って少ない時よりもかなり安かったりする。まさに信用商売。
もやもやしつつも、バリバリに糊のきいた服にしてもらいたくて、今日はいくらになるかな、なんて考えながら持って行き(実際にはよきタイミングで気を利かせた母が出しに行ってくれたりして)、家に帰って金額を報告し、家族で毎回ひと笑いするのが楽しかった。
そんなまるさんも、クリーニング作業を担当していたお父さんが高齢になったこともあり、ついに近くお店を閉める予定と聞いた。
真夏になるとランニングの肌着一枚になって、一生懸命アイロンをかけてくれていた姿が見られなくなるのだなあ。そして、あのお母さんの運任せなお会計ネタもなくなってしまうのか。
さいごに会った時に、きちんとありがとうを言ったかな。