かけがえのないものを大切にし、愛することは生きる上での柱になる
家族がいるのも友達がいるのも、日常の中に溶け込んでいるよう。元気でいられることも。若い頃は『いま、ここにあること』のありがたさに無自覚でした。
しかし、子どもが生まれ、日々成長していく姿を見ていると、一日一日の尊さが胸に迫るようになりました。子どもが生まれたときに、この世界にこれほど愛しい存在があっただろうか、と心が震えました。
親であれば、誰もがそのような感慨を抱くでしょう。かけがえのない子供の成長の一瞬一瞬が、かけがえのないものになっていきました。22歳になったいまも、それは変わることはありません。
同じように、高齢の両親(母は4年前に旅立ちましたが)に対しても感じるのです。あたりまえのように過ごしている日々は、あたりまえではない。いつか別れる日が来る。誰もが限りある時間を生きています。
その終わりがいつ訪れるのか誰にもわからない。明日かも、一年後かもしれない。私たちはかけがえない存在、時間を与えられているのです。
かけがえのないもの。
唯一無二、世界に一つしかないもの。かけがえのない、愛するものを持っている幸せ、それは愛するものを失う怖さと表裏でもあるのです。
子どもがまだ赤ちゃんだった頃、抱っこして子守唄を歌っているときにふっと心をよぎったことがあります。