言葉はその人を語る 日本語が私たちの精神文化であることを知ることが大切
吉元由美の『ひと・もの・こと』
作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。
たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。
若者の敬語と大人の責任
「若者の敬語はなってない」
こんな批判をよく耳にします。多くの場合、次に「今の若者は軟弱」とか「礼儀を知らない」といった話になります。言葉という観点に立つと、私もそのように思ったことがあります。
しかし、週に一度大学の授業で若者たちと接するうちに、若者を批判するのは重箱の隅を突くようなものだと思うようになりました。
若い人たちの敬語なり丁寧語の使い方が間違っている場面によく出くわします。二重敬語だったり、敬語と謙譲語がごちゃ混ぜになっていたり。心の中で(ああ…)と思うこともしばしばです。
でもよく考えてみると、彼らは丁寧に接しようと努めている。
ただ、ちゃんと学んでいないだけです。もしかしたら、まわりの大人がきちんと話せていない環境にいたのかもしれません。