過ぎ去った年月に思いを馳せるように、生きてきた時間を振り返るときがいつか来る
よちよち歩きを始めた頃、歩けるようになったうれしさを体いっぱい表すように私に向かって歩いてきました。
ちょうど今頃の季節。小さな手で落ち葉を拾ってくしゅくしゅと握ってつぶしたり、落ち葉の中に座り込んで遊んだり。
23年、時は瞬く間に過ぎていました。その間には当然のことながらいろいろなことがあり、子育てと仕事と家族のこと、親のこと……。
さまざまなことを小脇に抱えながら駆け抜けたような23年という時間は、私の人生のまさに中核といえる時間でした。もう巻き戻すことも手にすることもできないそんな年月に、自分の限られた時間を思うのです。
悲しいわけでも、淋しいわけでもなく、ただ自分に『与えられた時間』が不思議です。
何年なのかわかりませんが、晩秋のベンチに座りながら過ぎ去った年月に思いを馳せているように、生きてきた時間を振り返るときがいつか来るのでしょう。そのときの気持ちをほんの少し味わっているような感じです。
出会いがあり、別れがある。家族として出会い、そして別れがある。友人たち、大切な人とも何かの縁があり出会い、そしていつか別れがある。
その中には決してひと色ではない出来事や思いがあるでしょう。