ひとり旅の解放感と孤独感は、創造の源になり、憧れは日常の生活の中に息づく
そんなお二人と空港の搭乗口で、また出会います。「一緒の飛行機だったのですね」と、そんな言葉を交わしました。
パリに到着し、バゲージクレームで荷物が出てくるのを待っているとき、「空港に車を置いてあるので、一緒に市内まで行きませんか?」とお二人から声をかけていただき、ご一緒することになりました。
ご主人はヨーロッパのブランドと日本を繋ぐ仕事をされているとのこと。旅に出ると、ホテルでは別々の部屋に泊まり、それぞれの時間を独立して過ごすのだそうです。
ご主人は昼間は仕事、奥様は買い物をしたり美術館へ行ったり。そして夕食のときに、その日あったことをお互いにシェアする。そして、素敵なところがあれば、後日一緒に訪れる。
この旅のスタイルはいい距離感を保つことができ、それぞれの過ごし方を楽しめるのだそうです。
まさに大人の旅です。ふたり旅の中で、それぞれが思うように過ごす。そしてその時間で感じたことを分かち合う。
この頃、私はまだ20代の後半でしたが、こんなパートナーシップに憧れ、素敵な大人になりたいと思ったことをよく覚えています。
旅で出会うもの。それは見たこともない自然、文化、もの、人々、ライフスタイル、そして憧れにも出会います。