2019年1月17日 06:00
視覚障がい乗り越え司法試験に合格した女性の”ビリギャル”時代
はこう振り返る。
「外出するとき、人目が気になったことはあります。でも“親の私が引きこもっていては絶対ダメだ”と。障がいがあっても、堂々と外に出て、やりたいことを挑戦させようと、夫婦で決めていました」
心配はつきなかったが、ほかの子どもたちと同じ体験をさせたい一心で、愛さんに自転車を与えたことも。車の交通量が少ない郊外とはいえ、ときには畑や溝に落ちたりしてしまったこともあったと愛さんは笑いながら振り返る。
「普通の小学校に通いたいと言ったときは、教育委員会に交渉してくれたし、両親は私の挑戦を必ず応援してくれる。でも、始めたことは“やり遂げるまで諦めるな”と厳しく育てられました」(愛さん)
小学校では、拡大文字の教科書を使用していたが、学年が進むにつれ、扱う文章も長くなり、拡大文字ではスムーズに読み進められない。勉強に遅れが出ないよう、中学校は東京の視覚特別支援学校へ入学。
親元を離れての寮生活を始めた。
「このとき、初めて弱視や全盲の人たちと触れ合いました。1人で外出できない仲間もいたし、後ろから声をかけても、見えないからと、振り返らずに前を向いたまま会話する子がいたのは、ショッキングでした」