くらし情報『ラグビーW杯を釜石に連れてきた旅館女将の願い』

2019年3月11日 06:00

ラグビーW杯を釜石に連れてきた旅館女将の願い

「ラグビー部は、釜石市民の誇りです。優勝パレードをすれば一目、選手を見ようと、屋根にまで人が上がっていましたよ。釜石の体育館でダンスパーティをしたときに、ラグビー部が来ると聞いて、私たち、その日のために社交ダンスを習ってね。22~23歳だったかな。スーパースターの松尾(雄治・元主将兼監督)さんとは踊れなかったけど、森(重隆・元主将兼監督)さんとは手をつないでダンスして。それがずっと自慢でした」

若かりし日を思い出しながら、岩崎さんは、軽トラから色鮮やかな大漁旗を出して、広げて見せた。

「私たち、釜石の市民は、ラグビーの試合があると、この“ふらいき”を振って応援するんです」

“ふらいき”とは、いわゆる大漁旗のこと。この地方では「富来旗」もしくは「福来旗」と書く。
縁起のいいこの旗を、岩崎さんはことあるごとに振ってきた。福が来るように、復興が進むようにと、祈りを込めて。

岩崎さんと共にW杯招致に奔走した浜登寿男さん(50・釜石シーウェイブス理事)はこう話す。

「女将さんは、愚痴っぽいことを口にしても、数秒で切り替えて『前に進まねば』と、あっけらかんとしています。どんな負の要素もプラスに変え、エネルギーにして突き進むパワーがあるんです」

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