2019年4月18日 06:00
「娘と性交した父親に無罪判決」で明らかになった法の矛盾
前出の伊藤弁護士は、日本の法制度の不備をこう指摘する。
「多くの国で、同意なき性行為は罪に問われます。日本では、意に反する性行為が行われたというだけでは処罰の対象にならず、物理的に抵抗できない状態であったか、そして加害者がそれを認識していたかも重視されます」
今年3月にも、福岡地裁久留米支部が、驚きの判決を下している。泥酔して抵抗できなくなった女性を男が性的暴行をした事件で、女性が目を開けたり、何度か声を出したりしたことを理由に、裁判所は「女性が許容している、と被告が誤信してしまうような状況にあった」と判断。無罪となった。女性が意に沿わない性交渉を強いられても、激しく抵抗しない限り、罪には問えないということか。
「裁判所があまりにも、女性の<抵抗できない>という状態を理解しないのであれば、同意なき性行為はすべて処罰するという方向での法改正をすべきです」
また、前出の宮本さんは、美羽さんの心理をこう代弁する。
「このままではダメだと思って、早く自立するために専門学校に入ったんだと思います。
でも、それすらも<抵抗できたはずだった>という裏付けにされてしまうなんて……」
検察は、この判決を不服として4月8日、控訴した。女性たちの涙が報われる司法であってほしい。
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