2019年5月23日 16:00
“夫婦の距離”が引き金に…主婦を襲う「特殊詐欺」の恐怖
とくに家庭にいる主婦は、一家の財布のひもを握っていることが多い。ですから、わざと夫のいない昼間の時間帯を狙って詐欺を仕掛けるのです」(藤本弁護士・以下同)
詐欺師は、相手に考える時間を与えず、金銭を出すよう巧妙に要求してくる。
「還付金詐欺なら、昼過ぎに電話をかけ、『還付金の受取り期限は今日までなので、急いで手続きを』と相手を焦らせ、銀行の取引が終了する15時までにATMで手続きするよう指示します。相手を慌てさせることで、判断力を鈍らせる手口です」
冷静になった翌日、だまされたと気づいても後の祭り。夫に無断で大金を振り込んでしまったことを打ち明けられず、弁護士を頼ってやってくる女性が多いという。
「みなさん、口をそろえて『夫には絶対に言えない』とおっしゃいます。じきに夫が定年退職して収入が減るというときに、老後のために貯めていた資金をほとんどだまし取られてしまった。そんな状況で打ち明けたら激怒の末、離婚されてしまうんじゃないか、という不安がその理由です。
とくにこの年代の夫婦はお互いに距離があることが多く、コミュニケーションの少なさから妻の独断でお金を動かしてしまうケースがままあるようです。