2019年6月10日 16:00
オーストラリアから来た陛下の“ご学友”が美智子さまに恐縮した日
当時の日記に僕は『駅に大勢いました。宮さまはかわいそうだと思う』と書いています。どこへ行っても大群衆が待ち構えていて、それに応じることは大変だろうと思ったんです。でも、それは大間違いですね。陛下は大勢の国民が喜んで出迎えてくれて本当にうれしかったんだろうなと、いまならわかります」
’76年1月4日。アンドルーさんは東宮御所にいた。留学期間を間もなく終える彼を、陛下が御所にお招きになったのだ。
「それが初の御所訪問。
『ここは日本のパレスだ!』と、すごく緊張した。御所の玄関を入ってすぐの待合室にいると、5分とたたずに陛下がお見えになって。『今日は来てくれてありがとう』と英語でごあいさつをいただきました。それから、居間に案内され、楽しく会話をしていたのですが……」
しばらくすると、そこに上皇陛下に美智子さま、それに秋篠宮さまに黒田清子さんと、ご一家がおそろいでお見えになられた。「美智子さまの英語はネーティブの人のようにお上手でした。『日本での学生生活はどうですか』などのご質問を受けましたが、お言葉の端々に、息子の友人である僕への気遣いや思いやりが感じられて、僕は素晴らしい友人、素晴らしいファミリーと知り合えたという喜びでいっぱいでした」