くらし情報『深刻事態のあとに笑いが―阿川佐和子&ヤマザキマリ「母娘介護対談」』

深刻事態のあとに笑いが―阿川佐和子&ヤマザキマリ「母娘介護対談」

私だって、母を置いて、好きなゴルフをやることもありますが、“悪かったな”という後ろめたさを持っていると、次に“ようし、やってあげようじゃないの”とやさしくなれるもの」

マリ「そうね、滅私奉公はいけないと思う。北海道で母をそばで見てくれる妹も、一時期、介護でいっぱいいっぱいになって。髪はボサボサだしストレスで太ってしまって。“やばい”と思って『もういいよ、お母さんのことはいいから出かけておいでよ』と、コンサートのチケットを買って送ったりしました」

阿川「自分にとって、リフレッシュできるものを最低1つ持っていないと、逃げ場がなくなります。逆に自分のためだけの時間を持つことで、介護をするエネルギーが湧いてくるものですよ」

現在でも、認知症の症状は少しずつ進んできているが、母たちは平和で穏やかな日々を過ごしている。

マリ「最近は、イケメンの青年介護士さんに『リョウコさん』と下の名前で呼んでもらって、ポッと頬を赤らめています」

阿川「認知症になると、女がよみがえってくる説もありますよね。フェロモンって大事」

マリ「入居者が集うホールでダンディな男性がいたら、『あそこにすごく寡黙で、ハンサムな人がいるんだけど』って。

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