2019年8月27日 17:00
仏の個人主義に学ぶ姑との距離の置き方(JINSEIのスパイス!第42回)
それでもAさんは心優しい女性だったので、仕事で留守がちなご主人にかわり、自分の母親のように一生懸命、お姑さんの介護を続けたのです。同時に、そのころから心に強いストレスを抱えるようになりました。お姑さんの小言をひとつひとつ完璧に守り、我慢し続けたからかもしれません。数年後、そのお姑さんが他界されました。葬儀も終わり、昔のような日々が戻ることになるのですが、それから間もなく、亡くなったお姑さんの部屋から、家族へ向けて書かれた手紙が発見されたそうです。なんと、そこにはAさんへの誹謗中傷がびっしりと書かれてあったのだとか。あんなに一生懸命介護を続けてきたというのに、最後の最後で反論すらできない形での一撃を見舞われることになったわけです。このことでAさんは心の病に倒れ、長い間入退院を繰り返しました。
このようなケースは特殊ですから、嫁姑関係というのがつねにこのようなパターンだと申し上げるつもりはありません。ただ、そうなる可能性がある以上、早い段階で対策をとっておく必要はあるでしょう。お姑さんとの同居によって奥様だけが心に強いストレスを抱えることがないようにしなければなりません。そのためには、ご主人や周囲の家族、そしてお姑さんとも、多少ぶつかったとしても、お互い我慢しないで生きていくための最善の方法を話し合いで模索するべきでしょう。