2019年8月29日 11:00
時効間近に新たな可能性浮上、熊谷ひき逃げに2台以上が関与か
情報提供を請うチラシ。有力な情報には最大100万円の謝礼金も支払われる。
突然、息子の命は奪われた。事故の際、息子は泣いていたのか、助けを求めていたのかーー知りたい。だが、いまだに犯人は逮捕されず。そんななか、母は自ら真相究明へと動きだした。
日本一の暑さを誇る埼玉県熊谷市ーー。強い日差しを照り返す道路に、黄色い菊の花だけが、くっきりと浮かび上がる。供花したのは、’09年、この場所で自動車にひき逃げされ、亡くなった小関孝徳くん(享年10)の母・代里子さんだ。
「命日の9月30日を迎えるたび、“事件は風化し、逮捕が遠のいているのでは”と、不安を感じます」
事故から10年を迎える今年の命日は、特別な意味を持つ。
「自動車運転過失致死罪の時効が成立してしまいます。しかし、いまだに犯人につながる物証や目撃情報はありません」
こう着状態とも思われる捜査。代里子さんは、今年1月にブログを開設して、情報提供を呼びかけている。同時に、事故の検証を、元交通警察官で、日本交通事故調査機構の代表を務める佐々木尋貴さんに依頼した。
「通常、ひき逃げは遅くても1カ月もあれば検挙できるので、時効間際というのは珍しいケースだと思っていました。