2019年10月22日 06:00
雅子さま「パレード延期を」決断に秘めた“24年前の悔恨”
天皇陛下と雅子さまは、その3日後の20日に中東3カ国を訪問されることが決まっていたのです。非常に長い間、各国間で準備を整えてきた国際親善のご公務を中止にすることはできませんでした」
ご出発前日の記者会見で、雅子さまは表情を曇らせ、声を震わせながらおっしゃった。
《国内でこういうことが起きている時期に国を離れるということは、大変忍びないという言葉がよろしいのでしょうか、そういう気持ちでございます》
阪神・淡路大震災という大災害の直後に外国へ向かわれる葛藤を吐露された両陛下。しかし、その会見の直後から宮内庁の電話がひっきりなしに鳴り響くことになる。「なぜこの時期に」「中止すべき」という抗議の電話が殺到したのだ。ご出発会見で陛下は、こうもお話しになっている。
《皇族の仕事として国際親善もまた大きな仕事であり、以前から計画され、向こうの首長あるいは王族の方々に心をこめていろいろ準備して頂き、ご招待におこたえする意味でも、こういう状況ではありますけれども、親善訪問に努めてまいりたい》
中東ご訪問中も震災の被害は拡大し、両陛下は大使館から送られてくる新聞のコピーを隅々まで読まれ、被災地を案じられていた。