ピーター 母の言葉で得た生き方「誰が好きでも別にかめへん」
性別を超越したジェンダーレスタレントの先駆け、それがピーターだった。そんな彼は、中学時代、ある人を好きになったという。それは学校の先輩男子だった。
ピーターは、母とは「一卵性親子」を自認、何事も包み隠さない関係だった。このときもピーターは正直に打ち明けたという。「こんな気持ち、おかしいかな?」。その時代、一般的な親なら、烈火のごとく怒ったり、息子の気持ちを頭ごなしに否定しかねない相談内容。ところが母は満面の笑みとともに、息子が拍子抜けするような言葉を返した。
「別に、かめへんやん。あんたが誰を好きになろうと」
母はいつも「自分の気持ちに正直に生きなさい」と教えてくれたのだ。
「なかには、自分がゲイだってことで、すごくブルーになって不幸にも自殺しちゃうような子もいますよね。または、カミングアウトしに実家に帰ると、お母さんが泣きながら『私は前から知ってたわよ』というパターンも。その点、うちは最初っから話してたし。本当に幼いとき、男なのに白粉塗って舞台で拍手貰う、その感覚も嫌いじゃなかったし。そんな私を父はライバル視してるしね(笑)。だからね……私は、やっぱりあの両親のもとで、なるべくしてピーターになったんですよ」