2020年5月19日 00:00
石田純一 病室で綴った長男への遺言「お金だけが人生じゃない」
やり取りも、電話で行うことになっていました。
看護師さんは献身的に世話をしてくれるのですが、コップひとつ持ってくるにしても防護服を着ての重装備。ほかのコロナ患者さんと同じ場所に入院していて、そこだけがまるで“野戦病院”のようでした。
僕はふだんの脈拍が70ほどなのですが、入院してすぐに160くらいまで上がってしまったんです。さらには意識がもうろうとして、記憶が飛んでいることもあったみたいで……。
もともとあまり不安を感じたりしないタイプなのですが、かなりの恐怖感がありました」
当時について「一時は死をも覚悟するほどだった」と振り返った石田。そんな彼が真っ先に考えたのは、残される家族のこと。実は緊迫する病室で、石田は長男・理汰郎(7)への“遺言”を用意していたというのだ。
「僕が今までの人生で考えてきたことを、書き残しておくことにしたんです。子どもたちはスマホを持っていないので、妻にメールをしました。息子には『偉くなるとか、お金をいっぱい稼ぐだけが人生じゃない。努力して新しい自分を獲得すること。これが本当に大切なことなんだよ』と。あまり時間がなかったのですが、4歳と2歳の娘たちにも『楽しく過ごしてほしい』みたいなことを書きました。